家庭医療セミナー in いわき~実践家庭医塾 Online~ 2021年5月

2021年5月27日(木)に、家庭医療セミナーが開催されました。
前回同様、オンライン参加と会場参加のハイブリッド形式での開催でした。

今回は、おざかクリニックの小坂博美先生が「電子カルテ時代のPOS」と題して発表しました。
発表内容を簡単にまとめましたのでご紹介します。

POS(problem oriented system)とは、問題志向型システムを意味する言葉です。患者の問題を明確にとらえ、その問題解決を論理的に進めていく技法です。小坂先生は、プライマリケアの言語領域が拡大している一方で、電子カルテの表示スペースに限界があることに頭を悩ませてきました。

そこで、小坂先生から大きく3つの対応策が紹介され、それぞれ解説がありました。

 

小坂先生は、スライドにある3つのポイントを押さえることが重要だと考えています。

 

診断名のみでなく、患者さんと話したことを総合的問題として記載しています。

 

(飛行機の翼を言語領域、計器類を言語に例えて)現在は翼が伸び、複雑な計器類になっているため、以前の記録方法では対応が難しくなっています。

 

#がついている情報は一目で重要だとわかりますが、そうでない情報は軽視されます。意識しないと情報に偏りが出てしまう恐れがあります。

 

情報を集めるだけでなく、情報の整理も必要です。時系列にまとめておくことで有効活用できます。

 

カルテ記録の合理化、効率化をすることによって生まれた時間を患者さんのために使うことができます。

電子カルテ記録のトレーニングや機能進化も必要ではないでしょうかという提案もありました。


医療機関で毎日使用されている電子カルテの運用方法を改めて考えさせられる内容でした。
小坂先生は、現状のカルテ記録で満足せずに、どうすれば患者さんの診療により役立つカルテ作成ができるのか非常に深く考えていると感じました。
今回は発表していただきありがとうございました。

次回は6月24日(木)開催予定です。
興味のある方は、かしま病院地域医療連携課までご連絡ください。

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