研修医へインタビュー Vol.21

今回は、2021年11月22日から1か月間研修に来ました、いわき市医療センターの小川望美先生の感想をご紹介いたします。

いわき市医療センター初期研修医の小川望美です。

私は2021年11月22日から12月17日までの4週間、かしま病院総合診療科で研修させていただきました。

 かしま病院での研修では病棟管理や救急外来での診療に加えて、訪問診療や一般外来、健康診断などの業務にも携わらせていただきました。特に印象的だったのは一般外来の研修であり、とても貴重な経験となりました。

 これまでに自分が携わってきた外来診療といえば救急外来であり、緊急性や緊急処置の必要性の有無の判断を行ってきました。いわゆる一期一会の診療であり、これまでの詳細な病歴や生活環境などに目を向けたり、長期的に患者さんの経過を見守ったりすることは困難であることが多いです。一方、かしま病院の一般外来では、かかりつけ医として患者さんと一緒に病気に向き合い、世間話などを通して交流を図る先生方の姿を拝見させていただきました。何気ない会話の中に患者さんの悩みが隠れていることや、長年交流を深めてきたからこそ打ち明けてもらえる話があることなど、教科書での勉強では学べないことも学ばせていただきました。過去や家族の状況も把握したり、理想とする最期の迎え方を相談したりと、まさに人生に切り込む診療であったことが印象的です。

高齢化が進むいま、ひとつの病気だけではなく患者さんを1人の人間として診療する全人的医療がより一層重要となります。全人的医療では単に病気を治すだけでなく、周囲の環境や患者さんの望む生活様式、最期の迎え方などを考慮しながら診療していくことが求められます。忙しい中で診療を行っていると疾患そのものに目を向けがちですが、初期研修医として修業を積んでいるこの期間に、全人的医療を実践している先生方の診療を研修させていただけたことはとても貴重な経験となりました。

今後の医師人生の中では時間に追われることがさらに多くなると考えられますが、この4週間で学ばせていただいたことを忘れずにこれからの診療に活かしていきたいと思います。

 最後に、ご指導してくださった先生方をはじめ、かしま病院のスタッフの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。4週間ありがとうございました。

研修室にて、本を読み勉強する小川先生。
広報企画室の撮影にご協力いただきありがとうございました。

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