2021年6月24日(木)に家庭医療セミナーが開催されました。
今回は、当院で研修をしている、2名の研修医が事例発表を行いました。
事例とディスカッションの内容について、紹介いたします。
事例発表① いわき市医療センター 金谷淳平医師
高齢の患者さんが屋外を散歩中に転倒し、両下肢脱力を認めたため、救急搬送された事例についてです。
救急隊からの電話対応について、ディスカッションをしました。
(1)ホットライン対応時に救急隊に確認することはありますか。
・救急隊が、三次救急なのか、二次救急なのか判断して連絡してきていると思うため、来てもらうか、来てもらわないかの判断で良い。
・もともとのADLはどうだったのか?意識レベルはどうだったのか?他に外傷の部位はないだろうか?といった点を聞いてみてもいい。
(2)搬送時に救急隊に指示することはありますか。
・慣れている救急隊がやっているため、医師が出る幕ではない。
・これまでに指示をしたケースはあまりない。
今回、救急搬送されてきた際に、患者さんが受傷後に神経症状が出現したにも関わらず、頸椎カラーを装着していなかったといったことがあったため、医師として、頸椎カラーの装着を指示できればよかったと思うことがあり、この質問をしたそうです。
事例発表② 東京慈恵会医科大学 研修医 長久大介医師
突然、左不全麻痺、構音障害が出現した高齢の患者さんについての事例でした。
(1)脳梗塞・TIA後の方には、特に健康増進が必要ですが、どのようなことを指導すればいいか。
・ライフスタイルに合わせたアドバイスをした方がいいとのことで、散歩やラジオ体操はどうか。
(2)患者の家族より「車の運転は大丈夫か?」と質問を受けたことについて、車の運転に関してどのような指示を出したらよかったのか。
今回の患者さんについては、後遺症がないこと、本人の運転意欲が強い点、居住地の近くに公共交通機関が無いことから、運転の再開を許可したそうです。
・タクシーという手段もあることを紹介しても良かった。
・車はあると運転してしまうため、高齢であり病気もされたので車を手放すといった思い切った決断をすることも必要である。
葛西先生の講評では、患者さんのメンタルヘルスが重要になってくると思います。車が運転できなくなり、がっくりしてうつになる方もいますので、予防的に、そういった状況にならないようケアをしていく、家族の人たちと関わりあってケアしていくことが必要になってくると思います。とのことでした。
次回の家庭医療セミナーは7月29日(木)です。
興味のある方は、かしま病院地域医療連携課までご連絡ください。
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