研修医へインタビュー Vol.63 常磐病院様 小嶋智郎医師

令和6年6月から1か月間、研修を行いました常磐病院様の研修医 小嶋智郎先生に研修の感想インタビューを行いました。

広報:今回、常磐病院様から研修医の方が来るのは初めてなのですが、どういった流れでいらしたのですか?

小嶋医師:今年からかしま病院さんと連携が始まりますということを、昨年言われまして、初期研修の臨床実習の必修科目としては、一般外来をやらなくてはいけない中で、その枠としてとらえているのも一つあります。それと、臨床研修センターの前の事務の方が連携を取ってくださって「行って来てもいいですよ。」と後押しされたので行ってみようと思いました。常磐病院の初期研修医がかしま病院で研修するのが初めてのことで、何も知らない状態だったのですが、常磐病院自体がいろいろな病院にお世話になることが多いのと、研修の目的として外来研修と訪問診療がある病院で勉強ができるというのも選んだ理由です。

広報:かしま病院での4週間の研修はいかがでしたか?全体的な感想をお聞かせください。

小嶋医師:研修医の数が思ったよりいて驚きました。いわき市医療センターや慈恵医大、福島医大の学生もいて刺激になりました。今回たまたま金曜日の整形外科の先生が僕の大学の先輩だったんです。ご縁で整形外科のオペが見られたのは、とても良かったなと思いました。
 症例になるのですが、藤原先生の初診外来で、貧血の症状と便が出づらい方がいらっしゃって、直腸診をしました。肛門から指を入れた時に普通は何もわからないのですが、人差し指を入れても当たるくらいの、肛門から10㎝位のところに便ではないモコモコした固形物が壁についたような感じであったんです。大腸カメラをして、大腸がんが見つかりました。直腸診で、手で触れたことが初めてだったので良い経験ができたと思いました。

広報:驚きがたくさんありましたね。整形のオペや外来で様々な経験ができて良かったです。

研修を通してかしま病院ならではだと感じたところはありますか。

小嶋医師:一つの病院の敷地内に特別養護老人ホームかしま荘があったり、訪問診療もやっていることです。かしま荘の回診では、悪くなってから病院に来る患者さんではなく、施設で過ごされている症状が比較的安定した方の状況を診られたのは良かったです。

広報:小嶋先生が将来医師として生かせる学びはありましたか。

小嶋医師:中山大先生は、すごく論文をアップデートされているので、エビデンスに基づく医療をやっていく上では参考になりました。いろんな先生いて、それぞれの患者さんへの対応の仕方、話し方の違いがあるので、自分の中で「これを取り入れてみよう。」や「こういうときだからこの答え方なんだ。」という勉強になりました。 

広報:いとち実習に参加してみていかがでしたか。

小嶋医師:参加したいとちワークではお互いペアになってインタビューをして互いの人となりを探っていき、用紙にまとめ「僕がインタビューした人はこういう方です。」と発表しました。自分がどう見えているのかというキャリア教育に近い感じがしました。
 いとち実習では、「医療から人を見た時に疾患ベースで見てしまうのを、その人はどういう人か、ということを疾患で当てはめるのではなく、その人の性格だったり、好きなことだったり、今まで経験してきたことでその人は構成されているので、疾患で当てはめるのではない考え方をしようね。」ということを伝えたかったのかなと思いました。そういう考え方は、総合診療の考え方としてはすごくいいなと思いました。

広報:そうなのですね。いとち実習の伝えたい部分をしっかり理解していただき嬉しいです。
 これまで、患者さんの背景を知る診察の経験はありますか。

小嶋医師:医療に関係するような、例えば「お酒ってどのくらい飲みますか?」や「おタバコって吸いますか?」と聞きますが、これまで総合診療・総合内科を回った際に「趣味まで聞きなさい」と教わっていたので、その人が社会復帰する上で、人として接するためにも、趣味などを聞くことが大事だと思いました。それ(聞くこと)が、間違いないんだなと分かりました。

広報:総合診療で趣味まで聞くというのは、特にそういう考えなのですかね。

小嶋医師:総合診療だと、医療の面からも社会的な面からもその人を助ける考え方、一方で循環器内科といったところだと、病気を治したら終わりなので、退院後であっても「病気は治ったよね」というスタンスだと思います。これからの時代は、総合診療的なものが必要になってくると思うので、総合診療科に限らずどの医者もやっていくべきかなと思いますけど、そうすると労力が奪われてしまうのでバランスの難しさも感じています。

広報:確かに…すべての患者さんに行うのは時間と労力的にも難しいかもしれませんね。
 ほかに、患者さんの救急対応はなさいましたか。

小嶋医師:救急車対応は、今までやってきた中でいろんな施設に行くと、画像検査、血液検査、手技をすべてやりましょうという病院もありますし、いや、もう少し考えてからやろうというところもあります。CT検査だと放射線を浴びるリスクもあるし、採血するのも痛いので「やる」、「やらない」のレベル感は病院によって変わってくるのですが、この違いを感じられたのは、今後医者として進めていくうえで一つのデータとなりました。実際に、慈恵医大の先生といわき市医療センターの先生と、普段全く違う環境で救急対応をやっている先生方と学ぶことができて、とても勉強になりました。

広報:そうなのですね。他の研修医の先生方と話や情報共有はされましたか。

小嶋医師:はい。お互い進路の話とか、こういう時はどういう対応しているのか、病院によって違うので情報交換できたのは良かったです。

広報:そのように情報交換できるのは、とても良いですよね。
 インタビューは以上になります。ありがとうございました!

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