研修医へインタビュー Vol.26

今回は、4月から2か月間研修に来られました、東京慈恵会医科大学附属病院の辻野恵先生の感想をご紹介いたします。

 私は普段、東京慈恵会医科大学附属病院に所属しており、4月24日から5月28日までの約2ヶ月間、かしま病院総合診療科で研修させていただきました。今回の研修では、一般外来や救急外来をはじめとして、これまで経験したことのない健診外来、訪問診療なども研修させていただき、多くのことを学ぶ事ができました。

 外来や訪問診療を通して、症状や治療のみならずその患者さん一人一人の自宅環境、家族関係など背景も含めて今後の方針を考えていくことが重要であるという事がわかりました。大学病院では、各科をローテーションし病棟管理や救急対応などを行うため、良くも悪くも専門性が高く他科の診療について考えはするものの、実際に自分で行ったりする事は少ないです。そのような面で、かしま病院の総合診療科では長期的に一人の患者さんの全身を診る事ができ、地域に根づいた全人的医療を経験することができました。
 また超高齢化社会になっている今、人々の生活を丸ごと理解し、患者さんやご家族の些細な変化に気づいて具体的に対応できる力が医師として重要である事も今回の研修で再認識する事ができました。

 外来では、自分の患者さんを持たせていただき、その後の患者さんのフォローアップでは薬剤量の調整・変更を行ったり、必要に応じて検査を入れたりなど自分で考え、自分で治療するという事ができ、研修医の段階で経験できたのは非常に貴重だと思います。初めのうちは、外来のイロハも分からず不安もありました。しかし先生方の外来を見学させていただき数をこなしていくうちにノウハウがわかるようになり、自分の診た患者さんが元気になっていく姿を見て自分の自信にも繋がりました。

 かしま病院での2か月は今後自分が医師として働いていくうえで、外来のやり方や、臨床的な考え方などを深く学ぶことができました。また、3.11から10年以上経ちますが被災された患者さんに当時の貴重なお話を聞かせて頂く機会もあり、とても勉強になりました。

 貴重な研修の機会を与えて下さり、ご指導して下さった先生方、スタッフの皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

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