研修医へインタビュー Vol.16

令和3年8月2日から9月30日までの約2か月間当院で研修をした、東京慈恵会医科大学付属病院様の福井麻由先生をご紹介します。福井先生より、研修の感想をお聞きいたしました。

 

かしま病院の研修を経て

 2か月間福島県という今まで訪れたことのない土地で研修を行うということは、私にとって不安もありましたが、学びの多い期間となりました。

 私は、今まで大学病院でしか学んだことがなく、また東京都と出身大学のある埼玉県しか住んだことがなかったため、地域研修に自分の中で具体的なイメージができていませんでした。今回の研修は、市中病院の体制やそれに伴う医師と患者さんとの距離感の違いなど多くの点で新鮮な発見がありました。

 総合診療内科として患者さんを診るうえで、新患で受診した患者さんの診断を付けることの難しさはもちろんのこと、何よりも先生方のそれを可能にする知識の多さに日々圧倒されました。初めのころは、外来のイロハも分からず、いざ自分で新患の患者さんと向き合うと問診一つ、身体所見一つとることも自信がなく苦労することが多かったです。しかし、先生方の外来を見学させて頂き、数をこなしていくうちに、知識も経験も足りない自分にできることは、患者さんの訴えを真摯に聞くことだと気づきました。そうしていくなかで、患者さんとの距離を自分なりに築いていき、「先生にまた診てもらいたい」と言っていただけた時はとてもうれしく思いました。

 外来以外にも初めての訪問診療や、一人で訪問診療先での看取りなどを経験させて頂き、医師として、介護施設のスタッフの方や、看護師の方と一つのチームになって入居者の方の健康を支え、地域に貢献することの大切さを学ぶことができました。また、この2か月間は入居者の方や患者さんのACPを話し合う場に遭遇することが多かったです。ACPに関しては、医師不足が問題であるいわき市はもちろんのこと、今後高齢者が増えていくためどの現場でも重要になってくる問題だと思います。今回医師として患者さんとそのご家族とどのような関係性を築き、ACPについて発信していくかを身近で経験させていただいたことにより、考える機会を多く得ることができました。

 かしま病院での2か月は今後自分が医師として働いていくうえで、礎となる外来のやり方や、臨床的な考え方などを学ぶことができました。また、震災時の病院の貴重なお話を聞かせて頂く機会もあり、とても勉強になりました。心残りなこととしては、コロナの影響で職場以外での福島県の地域の良さを味わえなかったことです。また機会があれば勉強も兼ねていわき市に来たいです。2か月間ご指導頂き本当にありがとうございました。

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