研修医へインタビュー Vol.66 いわき市医療センター様 藤原風子医師

今回は、令和6年6月から7月まで研修をしました、いわき市医療センター様研修医の藤原風子先生から感想をお聞きしました。


広報 かしま病院での4週間の研修はいかがでしたか。

藤原 外来や救急対応を多くやらせていただき、いろんな患者さんを診ることができたのが楽しかったです。その中でも個人的に楽しかったのは健診外来でした。普段は主訴があり、主訴から結び付く原因を考えますが、健診では、皆さん基本的には健康だけれども時々病気が見つかるという、逆に拾い上げるということをやったことがなかったので、すごく印象的でした。

広報 特に印象的な患者さんはおりましたか。また、対応した事例などあれば教えてくだい。

藤原 一定数の割合で、例えば心臓の音とか異常な人はいますし、注意深く診察すると、意外にその人は自覚なく過ごしているけど、異常がひっかかって見つけられるので、検診はその意味でも大切だなと思います。ですが、自分が見つけられればいいけど、見逃すという事もありそうで怖いなと思いました。異常に気付かず自分が「大丈夫です」と言ったら、その人は自覚症状が無いので、一年後まで検診を受けない、検査もしないとなってしまうので、だからこそ気を付けようと思いました。

広報 そうですよね。自分がわからないからこそ、健診で気づきたいから受けるものですよね。

藤原 自分で気付かないと、医者側も患者側も気付けないですよね。

広報 健診に来た方はほとんど自覚症状がない方だと思うのですが、伝え方に工夫したことはありますか。

藤原 病気をした訳でもなく、自覚症状もなければ、例えばタバコやお酒を今すぐに辞めなくていいし、血圧もちょっと高めだけど「大丈夫でしょ」という感じで、危機管理意識がないですよね。病気を経験された方だと「タバコやめる」と意識改革につながることはありますが、健常の方の意識改革は難しいなと思いました。タバコ吸うことを健康に良くはないので「辞めたほうがいいですよ」とお話をしても本人の意思で吸うので、リスクはお伝えしますが、あくまでも押し付けにならないようにするようには注意しています。

広報 なるほど。ありがとうございます。外来や救急では、どのような患者さんを診られたのですか。

藤原 幅広く風邪などの軽症例から脳出血などの重症例まで幅広く患者さんを診察しました。私自身、かしま病院は軽症から中等症ぐらいまでの方しか来ないかなと思ったのですが、重症の患者さんも多く診ているのが印象的でした。救急の受け入れは断らないし、地域の医療に大きく関与しているなと思いました。

広報 ありがとうございます。
   当院は救急の受け入れに力を入れており、先生方や看護師さんたちが懸命に対応いただいています。

藤原 受け入れ数も多く入院患者数も多いですよね。私は石井敦先生に付いていたのですが、石井先生は患者数が多い中、並行して自分の外来もやっていたり、大変そうでした。その頑張りによって医療が成り立っていると思います。感謝です!!

広報 そうですね。診てくれる先生がいると思えるから安心して過ごせていますね。
   石井先生に付かれていたとのことですが、指導医との関わりはいかがでしたか。

藤原 分からないことがあればもちろん聞きますが、基本的にはわりと自分でカルテをチェックして、薬を処方したり注射を入れたり、輸血を入れたりと自由にやらせていただきました。石井先生の患者さん全員診たわけではなく、何人かピックアップして診察という形だったのですが、脳梗塞の急性期のフォローや心不全、自分は救急や循環器科に興味があるので、興味のある分野をじっくり管理できたのは結構楽しかったです。
 研修医が色々やれることが多かったので、病棟管理や外来、救急の初療対応もそうですし、自分が必要だと思った検査とかも「どんどんやっていいよ」と言ってくださいましたし、疑問があったら「こういうのが鑑別に上がるから、これもあったほうがいいよ」とか、色々追加しながら自分に好きなように診察や検査ができたのが楽しかったです。
 また、他の研修医もいたのは大きかったですね。一人だと判断に悩むところお互いに相談しながら、自分の知らないことを他の研修医に教わることも多かったです。

広報 先程、循環器が気になっているとおっしゃっていましたが、循環器のレクチャーはいかがでしたか。

藤原 私は今回、健診のプログラムが多くて心電図レクチャー1回しか受けられなかったんです。ですが、研修中に心エコーを当てる機会をくださったり、先ほども中山大先生に心電図について教えていただきました。自分から聞きに行ったりできたので、レクチャーの枠は少なかったですがそれ以外の時間で教わることができたので良かったです。

広報 それは良かったです。先生にとって良い学びになったのですね。
   訪問診療はいかがでしたか。

藤原 訪問診療では、今すぐ何かしないといけないという訳じゃなくて、フォローが必要な人がやっぱりたくさん居るなと思いました。動けなかったり、ご家族も大変だったり、病院に連れて来られないっていう面では、訪問診療は大事だなと思います。
 生存確認も含めてですけど、「どういう感じで生活しているのか」や、定期的に訪問して患者さんとお話しするだけでも、患者さんもドクターが行くと嬉しそうにしていたり、ただ診察するというだけでなくて、会話することも訪問診療の役割かなと思いました。何をしたという訳ではないのですが、「ありがとうね」と感謝されることが多かったです。

広報 そうなのですね。先生が訪問し、お話することで患者さんは安心しますよね。
   病棟での対応はいかがでしたか。

藤原 かしま病院にリハビリで入院している方に、自分が医療センターで診ていた方や、脳外科で脳性硬膜血腫の手術をした方がいまして、先程もお話ししてきました。手術前と直後とは異なり、意識もはっきりして動けていて、医療センターだと治療して基本的には急性期を診て、その後リハビリ病院にお願いするという形なので、今回、かしま病院での研修で患者さんの経過を診れたのは良かったなと思います。
 患者さんを急性期で「最初」を診るか、「その後」を診るか、どちらも流れで1つの病院で診るというのはなかなか難しいので、普段だと患者さんの治療や手術前を見ることが多かったので、患者さんのその後をかしま病院で診れた事は良かったと思います。また、患者さんが良くなっていて本当に良かったです。

広報:手術前や治療後を通して患者さんの姿を見れることはいい経験になったのかなと思いました。
   この度はインタビューありがとうございました!

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