研修医へインタビュー Vol.62 聖マリアンナ医科大学病院 中山夏音医師

令和6年5月から1か月間、研修を行いました聖マリアンナ医科大学病院 中山夏音先生に研修の感想インタビューを行いました。

広報:どうしてかしま病院を研修先に選ばれたのですか?

中山医師:提携病院が各県にあるのですが、私はいわき市出身なので、生まれ育った地域の病院があるなら見てみたいなと思い選びました。

広報:実際にかしま病院での1ヶ月の研修はいかがでしたか?

中山医師:小さい頃から何度も来ていた場所ではあったのですが、患者さんや救急車も遠方から来ることも多いなと感じました。訪問診療では、勿来(いわき市南部)の方まで行った事もあって、市内の中でも大きい病院であるわけでもないのに、地域にとっては、大事な病院だったのだなと思いました。

広報:かしま病院は、市内の他にも隣県の救急隊から連絡が来ることもあります。訪問診療も病院から車で30分ほどかかる場所まで診察に行っていました。幅広く地域の患者さんを診察している病院なのだと私も働いていて思う時があります。
 中山先生は研修の中で婦人科や整形外科のオペも体験されていたのですね。そちらはどうでしたか?

中山医師:木、金曜日を婦人科と整形外科のオペに入らせていただきました。間近で先生方のオペについたので勉強になりました。
 整形外科では、いろいろな腕や脚の手術を一緒に入らせていただいて、これをかしま病院では医師1人で行っていて凄いなと思いました。

広報:将来の進路先について考えられるきっかけとかになりましたか?

中山医師:そうですね。手術楽しいなと思いました。今回、手術をやらせていただいて、大学病院での研修はなかなかやることがなかったので、先生方に色々教えていただき勉強になりました。

広報:研修プログラムの中の「いとち実習」へ参加してみての感想をお聞かせいただけますか?

中山医師:改めて鹿島町を散歩したのですが、割と見慣れた景色過ぎで、正直言うと何とも思わないことが多かったのですが、「何かを探してください」と改めて言われると難しかったです。一緒に参加した医学生さん達の視点がおもしろくて、鹿島町を新しい目線で感じることができました。

広報:いとち実習を通して、地域医療について学べたことはありますか?

中山医師:地域の方や医療職じゃない方も携わっていることも多くて、地域との距離が近いというのが、地域医療の特徴なのかなと思いました。

広報:研修をした中で、印象に残った患者さんはいらっしゃいますか?

中山医師:そうですね。新患外来で診た患者さんが、そのまま入院になり、担当につかせていただいたのですが、普段大学だと自分で外来を診るということや病棟を上がって自分で診るということははないので、経過を診察して行く中で患者さんの病状が良くなってきて良かったなと思いました。

広報:そうなのですね。新患外来で診て入院の診断は、中山先生が?

中山医師:そうです。上級医に相談しそのまま入院の判断をし、ご家族に説明をして入院となりました。研修先の大学病院では、そういう判断も自分ですることはなかったです。入院中も担当につかせていただいて、回診もしました。
 私の研修先の大学病院では、一般外来をやることもまずなくて、夜間の救急当直で来た方を診たりするのですが、その時この人が入院する診療科に自分が配属するかは限らないので、とりあえず初療だけ診て入院しても、その後はどこに行ったかは分からないのです。

広報:なるほど。大学病院ですと患者さんは専門の科に行ってしまうのですね。そういう所が、大学病院との違いになるのでしょうか。

中山医師:市中病院だとそうですね。私は大学病院での研修でしたので、これまではやったことが無かったので勉強になりました。

広報:訪問診療についてはいかがでしたか?

中山医師:訪問診療は楽しかったです。個人宅と施設と両方行かせてもらいました。個人宅では、ご家族と往診の先生がとても仲良くて、帰り際に「いつもありがとう」とジュースをいただきました。ご家族にとっては、訪問診療の時間が息抜きになっているのかと思いました。

広報:先生方の訪問を楽しみにしているのかもですね。

中山医師:施設の方は、大学病院で働いていると、施設の往診の先生が診れないっていう方が、救急車で結構来るのですが、かしま病院の先生方だと、採血を頻繁にやっていたり、バルーン交換、尿の交換も看護師さんが定期的に管理していたりと、病院へ直接来なくてもいいよう不必要な搬送を避けるために、こちら側から指示をしていると聞きました。訪問診療では医療資源が少ないからこそ、できることは施設でちゃんとやってもらわないとということだと思いました。

広報:そうですね。不必要な搬送ってしっくりしますね。私も施設の問診を見学したことがあるんですけど、看護師さんが褥瘡の処置を医師同伴で行っていて、しっかり施設で処置を行っていました。
 中山先生は、いわき市のショッピングモールで行われた禁煙啓蒙活動の「イエローグリーンキャンペーンイベント」に参加されていましたがいかがでしたか?

中山医師:大変でした。ティッシュ配りを行いましたがなかなかもらってもらえず…喫煙者の方にはご家族のために禁煙を進めました。

広報:大変お疲れ様でした。
 中山先生と同時期に他の研修医も多く来ていましたが、交流はありましたか?

中山医師:大学での同期の友達が偶然にも同時期に研修で来ていました。他にも、いわき市医療センターさんや東京慈恵会医科大学付属病院さんから3名の研修医の方々がおり、みなさんと仲良くさせてもらって楽しかったです。たまたま女性の先生が多かったので、仕事終わりに遊びに行ったりご飯に行ったりとしました。

広報:研修医の皆さん同士の交流もあり良かったです!
 最後に、今後来られる研修医のみなさんにメッセージをお願いします。

中山医師:大学病院ではなかなか学べない生活習慣病の方の日常外来コントロール、疾患コントロールとか、救急からの入院とか、そこまで重症ではないが入院しなければならない人とか、大学で診るのとは全然違った経験ができると思います。外来や処方、検査のスケジュール、帰宅する際の薬と自分で決めて患者さんを診ることができるので勉強になります。実りのある1ヶ月にして頂ければと思います。

広報:感想やメッセージなど真摯にお答えいただきありがとうございました!
中山先生のこれからのご活躍も応援しています!

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