研修医へインタービュー Vol.10

5月から当院総合診療科にて約1ヶ月研修を行いました、いわき市医療センター様の研修医・吉野正人医師をご紹介いたします。
吉野医師より、研修の感想をお伺いいたしました。

 総合診療科での研修で印象的だったのは、先生方が症状だけでなく生活環境や家族構成などの生活背景についても丁寧に問診されていた点です。それらを踏まえ、一人一人にあった治療を提示した上で患者さんが中心となって治療方針を決めていました。患者さんが自ら治療方針を決定することで患者さん自身や家族が病気に対する問題意識を持つことができ、治療への意欲を高めることができると感じました。医療者のかかわり方次第で様々な方向への行動変容を促せることを実感することができました。

 また、かしま病院での研修では外来診療や病棟診療に加え、訪問診療や健康診断などの診療にも携わらせていただきました。訪問診療では施設入所中の方や在宅療養中の患者さんの診察をさせていただきました。高齢化がすすみ病院に通うのが難しい患者さんが増えていく一方で病床数は減っている中、訪問診療の役割はより一層重要になると考えられるため、研修医のうちに訪問診療に携われてとても貴重な経験となりました。健康診断の外来では、自覚症状はないものの高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えた患者に対し、運動や食生活の指導などを行わせていただきました。これまでの初期研修では症状のある患者さんを診察することが多かったため、予防医学に携わる機会が少なく生活指導の難しさを痛感しました。今後は病気の治療だけでなく病気の予防も一層重要になってくると考えられるため、予防医学について考える良い機会となりました。

 この1ヶ月間の研修を通し、患者さんの疾患だけをみて検査や治療をするのではなく、一人一人の生活や家族との関係、生き方、考え方などを踏まえた上でその方々にあった診療を行うことが重要であると改めて実感することができました。今後のいわき市医療センターでの研修でも、この総合診療科での研修を生かし、患者さんを一人の人として全人的に診療することの大切さを忘れずに診療に当たりたいと思います。

 最後に、未熟な私に熱心に指導していただいた先生方、スタッフの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。1ヶ月間ありがとうございました。

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