●　「治す医療」から「癒し支える医療」へ

超高齢社会を迎え、医療の在り方も以前と大きく変貌し、「治す医療」から「癒し支える医療」へと変わってきました。その様な高齢者の複合疾病の管理において、今後ますます病院総合医の役割は大きくなるものと考えます。

●　病院総合医の役割

その様な中、今後病院は大きく「広域急性期型」と「地域多機能型」に二分されると言われていますが、いわき市医療センターのような広域急性期病院では、臓器専門医が、手術などの職務に集中できるよう、合併症予防やPost Intensive Care Syndrome(PICS)と言われる、高齢者特有の治療後に生じうる様々な問題を予防していく必要があります。この様な問題を解決していくには、早期から全人的かつ包括的にサポートする役割が重要ですが、この担い手は正に病院総合医の役割となっていくことでしょう（図１）。

●　地域多機能病院の使命

一方、当院のような地域多機能病院では、広域急性期病院を退院した患者の在宅復帰に向けてのリハビリ、介護調整などの包括管理はもとより、広域急性期病院での管理には親和性が低い、要介護患者の急性疾病に対応していくこととなります。こういった症例の疾病管理は、やはり包括管理できる病院総合医の職責が大きくなることは間違いありません（図２）。

更に、医療と介護は益々敷居がなくなっていきますので、在宅療養患者や介護施設入居者の管理も重要な役割となってきます。

＊　かしま病院は、東北でも数少ない「病院総合医育成プログラム認定施設」です。　＊

病院総合医育成プログラム認定施設は、東北で7病院、福島県内では2病院あり、当院は福島県の東側に位置する数少ない認定施設の一つです。病院総合医フェローシップの研修施設となっておりますので、興味をお持ちの方は是非、下記のエントリフォームよりお問合せください。